アンティークドール



羽が舞う


目の前の烏が飛んだ



一斉に勢いよく、空の彼方へ羽ばたき、黒い羽を落とした



俺たちは慌てて上を見た

烏の羽が顔に落ちてくる


「烏が飛んだだけ…?」

「のようだな」



星麗那がため息を吐いた

「これのどこがヒントなのよ?何にも起らなかったじゃない」


「いや、起ったさ」



俺は下を見つめた


星麗那とユージもつられて下を見た


「きゃあっ!!」


「うわぁっ!?」



「………」


俺は無言で見つめる


下には



大量のバッタの死骸が





< 89 / 208 >

この作品をシェア

pagetop