完璧生徒会長様の憂鬱。












佐伯と共にいつもよりも2時間も早く帰路を歩く。







「………」







佐伯のおかげでこれから休める訳だが何だかその〝佐伯のおかげ〟という響きが癪だ。





素直にお礼を言いたくない。







「会長はいつも無理してるよね」






この状況に何とも言えない感情を抱いていると、佐伯が突然、おかしそうに声をあげる。








「どこに行っても頼られて必要にされて会長なしでは成り立たない。わかっているからこそ、会長は誰よりも無理をしてる。で、誰にもバレないようにその無理を上手に隠す」






「………」







いつもと同じ笑顔で淡々と喋り続ける佐伯の言葉を黙ってただ聞く。







コイツはわかっている。



私が必死に作ってきたものの本質を。






だけどそれは全て私の、貧乏から脱却し、ゆくゆくはエリート大富豪への野望故に自分で望んだもの。






佐伯が思っているほど私は無理はしていない。














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