完璧生徒会長様の憂鬱。
「代役に適した人なら目の前にいるじゃーん」
「……」
突然の佐伯の登場に何かを悟り黙る私。
まさか、この子たちのクラスって……
「2-3、眠れる森の美女、王子様役の代役なら会長しかいないでしょ?」
微笑む佐伯の予想を裏切らない言葉。
やっぱり、佐伯のクラスだったか。
確かに私が適役なのは頷ける。
毎日佐伯の相手役を練習してきた訳だし、王子様役は自分でも言うのはなんだか誰よりも完璧だろう。
だが、しかし。
「〝女〟の私が相手役じゃ、他の女子生徒が黙っていないんじゃ……」
佐伯が王子様ではなくお姫様になった理由は相手役の争奪戦が女子により繰り広げられたから。
その争奪戦を沈着化したのが相手役が男であることだったはずなのに相手が私では意味がない。