完璧生徒会長様の憂鬱。
「会長!!是非、お願いしますっ!!」
「蓮琉くんのお墨付きなら安心です!!」
「へ?」
右手と左手、両方の手を1人ずつに取られてしまい、冷静沈着会長モードの私でも突然のことに固まる。
う、嘘でしょ?
「落ち着いて。私じゃなくても適役なら私が紹介してあげるから……」
アワアワしながらも何とか断ろうとした。
したのがだ。
「ののかちゃん」
「……っ」
佐伯がにっこりと笑い口にした名前に表情を歪ませる。
その一言は私を従わせるには充分な訳で。
「……わかったわ」
私は王子様役を引き受けざるを得なかった。