完璧生徒会長様の憂鬱。
「佐伯っ!!」
佐伯の名前を叫んで佐伯の方へ走る。
が。
「………」
聞こえていないのか、佐伯は私の方を1度も見ようとせず。
いや、これは聞こえているけど無視しているんだ。
「ちょっと!!」
ガシッ
やっと追いついた佐伯の肩を掴む。
掴まえた!!
「誰よー、この女ぁ」
「さぁ、知らない」
私の姿を見て綺麗なお姉さんが不愉快そうに表情を歪めるが、佐伯はこちらを見ることなくお姉さんだけ見つめている。
ズキッ
その態度だけで胸が締め付けられるほど痛い。