完璧生徒会長様の憂鬱。
「えー、笑える点はどこに?」
今にも飛び出しそうな拳を抑えつつ、笑顔を引き攣らせて佐伯を見つめる。
「いや、由乃らしい答えだなって。周りのせいにして嘆いてた俺と違って由乃は見返してやるとか言ってるんだもん。ますます好きになっちゃった」
「は?」
握りしめていた拳に優しく佐伯が触れる。
そして私は予想外の展開に顔を真っ赤に染めていた。
そそそそそそこで好きとか言います!?
「お金が欲しいなら俺が払うよ」
「は、はい?」
「今日から由乃は俺のメイドってこと。どんどん稼いでお父さん超えるんでしょ?見返すんでしょ?」
「ま、まぁ、そうだけど」
話があらぬ方向へいっている気がする。
ニコニコ楽しそうな佐伯にどんどん表情が固まっていく私。