完璧生徒会長様の憂鬱。
「ほら、ののかちゃん。お手」
「………っ」
ニッコリと、周りには大量の花びらを巻き散らかしながら、まるで善人のような顔で悪魔みたいなことを言う佐伯に表情が引き攣る。
言葉は最小限。
それでも私にはこんな言葉まで見えてしまう。
『メイド喫茶でバイトしていることをバラされたくなければ、大人しく俺のわんこをしてなよ』
と。
うぅっ。
ポンッ
悔しさで表情を歪めながらも何とか佐伯の手に私の手を置く。
凄く、負けた気分。
「あははははっ。かわいい、かわいい」
それはそれは愉快そうに笑う佐伯が私の頭をわしゃわしと犬を撫でるように触れる。
わんこ扱いするなっ。