完璧生徒会長様の憂鬱。
と、言ってやりたいがもちろん言えるはずもなく。
『次のニュースです。〇〇市のメイド喫茶で働く、20歳の女性がストーカー被害に遭い、先日の深夜、襲われました。女性の証言では……』
たまたま流れたニュースに聞き慣れたワードが流れたのでそちらに耳を傾ける。
「〇〇市ってすぐ隣の市じゃん」
佐伯も私からニュースに興味が逸れたみたいで、手を止めて、ポツリと呟いていた。
〇〇市はflowerから車で15分もしない本当に近場だ。
「会長、気をつけなよ?すぐそこだし、一応flowerNo.1メイドな訳だし」
「大丈夫、心配無用だから」
からかうような笑みを浮かべる佐伯を軽くあしらう。
伊達にflowerのNo.1メイドをやっている訳ではない。
護身術もそういった客のあしらい方もきちんと心得ている。
「ふぅ〜ん」
珍しく無表情に、低い声で返事をする佐伯に違和感を覚える。
え、何………?