完璧生徒会長様の憂鬱。
次の瞬間。
ガタッ
「………っ!!!??」
私の世界はガラリと変わり、私は声にならない悲鳴をあげていた。
背中には床。
上には私に覆い被さる佐伯。
今、私はこの一瞬で佐伯に押し倒されていたのだ。
「本当に大丈夫な訳?」
私の上で可愛い顔のくせに妖艶に微笑む佐伯。
クイッと形のよい唇の端をあげるその表情は百戦錬磨の魅惑の微笑みなのだろう。
………さすが、異性不純交際問題児筆頭だ。
「こんな簡単に押し倒されちゃってさ。会長ってそもそも無防備すぎるし、隙ありすぎるし、襲われても文句言えなくない?」
「うっ、うるさいなっ、今のは油断してたのっ、いきなりだったから対応できなかったのっ」
「…………こーいうのはいきなりくるもんでしょーが」
呆れたように大きなため息をつく佐伯に悔しさでワナワナする私。
絶対わかっていたら即退治できたのに!!