完璧生徒会長様の憂鬱。











「人が金まで払って彼女を脅すようにお願いしたのに、逆に脅されているこの状況は一体何?」






「さっ、佐伯っ!!?」







どこから現れたのか月明かりに照らされて男の背後から不敵な笑みを浮かべて現れた予想外の人物の名前を呼ぶ。






どういうこと?



てか、佐伯の口ぶり的にこの状況の大元は……







「す、すみませんっ、佐伯様っ」





「………本当、使えないなぁ。もう今後一切アンタのとこの会社には頼み事はしないよ。社長にもそう伝えといて」





「は、はい。かしこまりましたっ。本当に申し訳ございませんでしたっ」







冷たい態度の佐伯に対して男はペコペコと頭を下げた後逃げるようにこの場から去る。







「アンタの仕業なのね……」







そんな佐伯と男の一連のやり取りを聞いていた私は嫌でも状況を理解してしまい、フツフツと湧き上がる怒りの感情を抑えつつ、言葉を発した。












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