QUEEN of the JOKER
顔面にパンチを食らわせられた男はその場に倒れた。


買い物袋を丁寧に置いて、あたしは手をパキパキと鳴らした。


「て、てめぇ何者だ!」


「…あたしが嫌いなものを教えてあげる」


男の質問なんてどうでもいい。


だってあたしは何者でもないから。


「あたしが嫌いなものは大勢の集団でたった1人の人を痛めつける卑怯な奴ら。


…族なら尚更。喧嘩を知らない一般市民を襲ってその上、痛めつける?







…喧嘩ってのはな、喧嘩できる相手とするものなんだよ。



族の相手は族に決まってんだろうが」












あたしは一般市民になることはできない。


だから、こいつらが許せない。


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