QUEEN of the JOKER
「あの、この事は…誰にも言わないで」


「…こいつら警察に突き出さなくていいの?」


「お願い、大事にしたくないから」


「…分かった」


…まぁ、襲われました、なんて言いたくないよね。


「じゃあ、あたしからも1つお願い。…さっきの出来事は他言無用、あたしの事も他言無用。……いい?」


「…分かった」


この子なら口を閉ざしてくれそう。


…あれ、そう言えば


「その制服…もしかして青道高校?」


「うん、そうだよ」


「あたしもなんだ。今日、転校して来たばかりだけど」


「ほんとに?あたし、2年生なの。あなたは?」


「同じ2年」


同じ2年にこんな子、いたっけ?


今日転校してきたばかりだから会わなかっただけ?


「私、天森 琴葉(アマモリ コトハ)。あなたは?」


「東城 瑞希です」


「瑞希ね…。また明日、会えたらいいね!」


「そう、だね…」


琴葉、と名乗るその子の笑顔は愛らしく、花のようだった。


生まれつきであろう茶髪の腰まで伸びたストレート。


綺麗な瞳


傷一つない白い手


あたしとは真逆の琴葉


この子に傷が付かないように祈る。
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