QUEEN of the JOKER
互いにあと数センチで拳を頬にぶつける距離に来た時だった。


パシンッ……


殴る拳を誰かが片手で抑えた。


そしてその人物の後ろにももう一つの影が。


あたしと杉宮夏也は二人の人物に喧嘩を止められたらしい。


「…そこまでだ、お前等」


「いや~、焦った焦った〜。僕達が来なきゃ大事になるかと…」


「…どういうつもりだ大和、それに蓮」


大和…蓮?


あたしを止めた黒髪の無表情と言ってもいい、男。


そして杉宮夏也を止めた、焦茶の金色メッシュが特徴のポッケに薔薇を入れてる男。


「それは僕のセリフだよ、夏也。可憐なレディに喧嘩を売るなんて神経どうかしているんじゃない?」


「はぁ?レディの前にこの女はJOKERの副総長だろうが」


「今はなき、だがな」


無表情の男はあたしに向き直ると


「仲間が失礼をしたな」


「…あの、あんたは」


「紹介が遅れたね、瑞希ちゃん」


橘蒼夜は黒髪の無表情の男と金色メッシュの男の隣に並ぶ。


すると橘蒼夜は金色メッシュの男を指さす。


「こいつは新崎 蓮(ニイザキ レン)。うちの第2幹部」


「よろしくね、瑞希さん」


新崎蓮はウインクをしてみせた。


「そしてこっちが…」


橘蒼夜は黒髪の無表情男を指差し、






「…黒坂 大和(クロサカ ヤマト)だ」




黒坂 大和…


スペードのキング『剣王』と呼ばれる












…剣龍の総長
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