QUEEN of the JOKER
取り出したある物を黒坂に投げた。


黒坂は綺麗にキャッチするとそれが何かを確認する。


「…トランプ?」


ケースに入ったトランプの束はまだ真新しいまま。


「…なぜこれを」


「…開けてみなよ」


黒坂は言われた通りにケースを開け、そこからトランプを取り出し、テーブルに広げた。


綺麗に並べられた数字は2〜10、そしてA、J、Q、Kがそれぞれ4つずつ。…つまり、全ての数字が揃っている。


幹部達はゾロゾロとテーブルを囲むと1枚1枚のカードを手に取り、確かめる。


「…何の違和感もねぇが」


杉宮が口を開く。


黒坂はトランプに目をやったままだ。


「…数字は全部で52枚ある。このトランプにもちゃんと52枚あるし、違和感がないのも確か。

…でも肝心なのはそこじゃない」







「……ジョーカーが、ない」







流石、総長は察しがいいようで。







「───・・・そのトランプはあたし達JOKERの総長・朝霧 日向さんから失踪前に貰った物。


そしてそのケースの裏には…」


黒坂は言葉通りにケースをひっくり返すと現れる、ケースにベッタリと貼り付けられた物、


「…!」


真っ二つに割かれ


そこに書かれてある『THE END』の6文字


貼り付けられた物というのは…







ジョーカーだった
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