QUEEN of the JOKER
思い切って開けたドア。


ザワザワしていた教室は、突然静寂に包み込まれる。


すでに教室にいた複数の生徒達はあたしを見ると昨日とは全く違う、何かを恐れるような感情を込めた瞳であたしを見ていた。


「剣龍の副総長やったってマジ?」


「俺も聞いたぜ。あと不良30人1人で片付けたとかよ」


「元JOKERの副総長だって!舎弟300人は軽く超えてるとか…」


…おい、尾ひれつけすぎじゃない?


所々噂当たってるやつと間違ってるのあるんだけど。


もう1度溜め息をついてあたしは自分の机へと足を運ぶ。


すると昨日の女共があたしの次に入って来て、あたしを見た途端、「ひっ!」と小さく悲鳴をあげた。


何お化け見たような顔してるの?


ただ喧嘩に勝ったくらいで。


「お、おはようございます…」


「き、昨日はその…失礼しました…」


…この言葉を発したのは意外にも女共で、あたしは内心「やめてくれ」と思いながら返事をする。


「いいえ。全く、気にしてませんから」


無理やり作った笑みを浮かべると女共はそそくさと自分の席へと向かう。


…さて、あたしも座ろう
< 74 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop