QUEEN of the JOKER
「うわー!終わったー!」
気づけば時刻は夜の7時を指していた。
ゴミをゴミ捨て場へと捨てると和田はその後も残って手伝ってくれた。
資料の整理やら箒で履いたり、またゴミ箱が満帆となるとゴミ捨て場へ行ってくれたり。
1人より2人とは正にこれのこと。
あっという間に終わった。
鍵を返すと和田はあたしに荷物を渡した。
「帰ろっか、瑞希」
そしてまた嘘偽りない、あの笑顔。
────────・・・
春型の夜の7時は涼しい。
こうして和田と並んで帰る日があるなんて思わなかった。
彼は剣龍───・・・
あたしと敵対していた立場なんだ。
…と、思っていた時だった。
「…剣龍のスカウトの事だけどさ、気にしなくていいから」
「え?」
和田はへにゃりと笑った。
「瑞希が元JOKERだろうと、今の瑞希はただの女の子だから。瑞希の気持ちの方が大事だよ」
「俺、剣龍だけどさ、どの組織も仲良くできたらって思うんだ。喧嘩も抗争もない、そんな仲良しにさ」
「…」
あたしは彼の声を聞いている事しか出来ない。
「俺は瑞希のこと、敵視もしてない。無理矢理、剣龍に入れようともしないよ。だから、肩の力抜いていいからね?」
「…和田って変わってる」
「そうかな?…あ、俺の事、名前で呼んでいいよ?名前で呼ばれる方が俺嬉しい」
笑顔であたしに言ったその言葉はあたしをどこか安心させた。
そんな彼に、あたしの口端は少しばかり上がる。
「ありがと…謙也」
「うん!ほら、握手!」
手を差し出す謙也の手を握る。
そんな時、
「あれ?瑞希…?」
「あ、母さん」
「瑞希のお母さん?」
横の道路に止まったトラックから顔を出す人は母さんだった。
「仕事終わったの?」
「ちょうど今ね。…その子は?」
「あ、俺は和田謙也って言います!瑞希と同じクラスです!」
「元気な子ねぇ、瑞希」
「…うん。
…………あたしの、友達」
そして笑う彼の笑顔は、まるで今日の星空のようだった。
気づけば時刻は夜の7時を指していた。
ゴミをゴミ捨て場へと捨てると和田はその後も残って手伝ってくれた。
資料の整理やら箒で履いたり、またゴミ箱が満帆となるとゴミ捨て場へ行ってくれたり。
1人より2人とは正にこれのこと。
あっという間に終わった。
鍵を返すと和田はあたしに荷物を渡した。
「帰ろっか、瑞希」
そしてまた嘘偽りない、あの笑顔。
────────・・・
春型の夜の7時は涼しい。
こうして和田と並んで帰る日があるなんて思わなかった。
彼は剣龍───・・・
あたしと敵対していた立場なんだ。
…と、思っていた時だった。
「…剣龍のスカウトの事だけどさ、気にしなくていいから」
「え?」
和田はへにゃりと笑った。
「瑞希が元JOKERだろうと、今の瑞希はただの女の子だから。瑞希の気持ちの方が大事だよ」
「俺、剣龍だけどさ、どの組織も仲良くできたらって思うんだ。喧嘩も抗争もない、そんな仲良しにさ」
「…」
あたしは彼の声を聞いている事しか出来ない。
「俺は瑞希のこと、敵視もしてない。無理矢理、剣龍に入れようともしないよ。だから、肩の力抜いていいからね?」
「…和田って変わってる」
「そうかな?…あ、俺の事、名前で呼んでいいよ?名前で呼ばれる方が俺嬉しい」
笑顔であたしに言ったその言葉はあたしをどこか安心させた。
そんな彼に、あたしの口端は少しばかり上がる。
「ありがと…謙也」
「うん!ほら、握手!」
手を差し出す謙也の手を握る。
そんな時、
「あれ?瑞希…?」
「あ、母さん」
「瑞希のお母さん?」
横の道路に止まったトラックから顔を出す人は母さんだった。
「仕事終わったの?」
「ちょうど今ね。…その子は?」
「あ、俺は和田謙也って言います!瑞希と同じクラスです!」
「元気な子ねぇ、瑞希」
「…うん。
…………あたしの、友達」
そして笑う彼の笑顔は、まるで今日の星空のようだった。