QUEEN of the JOKER
揺れる何か
それからというもの─────・・・
「瑞希ーっ!おっはよー!」
「謙也、おはよう」
あの日以来、あたしと謙也はこうして話す仲となった。
謙也の隣には杉宮がいるけどね。
「…ほんと、お前らいつの間にそんなに仲良くなってんだよ」
「内緒だよ?ね、瑞希!」
資料室掃除の件は秘密にしたいらしく、謙也はキラキラスマイルで人差し指を立て口元に当てる。
杉宮は訳が分からないという顔をして、呆れ顔をする。
「…ま、いっか」と杉宮は頭をボリボリ掻くと欠伸をする。
「…そういやお前、あの日以来喧嘩しているのか?」
『あの日』と言うのは多分、あたしの平穏を賭けた剣龍の副総長、橘蒼夜との喧嘩の事だろう。
喧嘩しているのかって聞かれても自分から喧嘩している訳じゃないし、その前にあの日以来してないし。
「してないよ。言ったよね、喧嘩はしないって」
「…お前、知らねぇのか?」
「え?何の───・・・」
「何のこと」と聞こうとした時にチャイムが鳴った。