QUEEN of the JOKER
最後の一人を倒して、沈黙が流れた。
「二人で全員を…すごい」
「さすが、夏也さん…。だけど、JOKERの女も負けてなかった」
剣龍の部下達は、驚いた顔であたし達を見ていた。
「へぇ。仲が良いんだね。二人とも」
「腹の底から吐くから止めろ、蒼夜」
「でも、いいタッグだったよ?」
謙也がちょこっと顔を出し、杉宮に笑顔を向ける。
「そうだ、瑞希。大丈夫だった?」
「平気。…それより、どうしてここに?」
ずっと気になっていたことを謙也に聞いた。
すると新崎蓮があたしの前へと来た。
「瑞希さんには申し訳なかったんだけど、発信機を瑞希さんに付けてたんだよね」
新崎蓮は申し訳なさそうに、パソコンの画面を見せて来た。パソコンのことはよく分からないけど、ある場所で信号が止まっていた。
「は、発信機…?誰がいつ付けて…」
「あ?俺が付けたんだよ、メス猫」
杉宮が「何言ってんだ、こいつ」という顔であたしに言い放つ。
「いつ、付けたの?」
「さっき教室でだよ。まさかお前、本当にビビってたのか?」
…教室…。ま、まさか…?
『──・・・バーカ。本気でするかよ』
あの時か!?
「そういやお前、俺達剣龍に入るっつったよな?これからコキ使わせてもらう…」
あたしは杉宮の言葉を遮らせた。
杉宮は腹を抑えてその場に蹲った。
「…まぁ。話は剣龍に帰ってからにしようか」
「そうだね!夏也、早くしないと置いて行くよ!」
「お前っ…どっちの味方だよ…」
「さ、瑞希。行こっか!」
謙也はあたしの手を取って、自分の家へと向かった。