白い雪が降り積もるように
「おい、聞いて──いででで!」
「聞いてます。でも、治療してるので今は少し黙ってください」
そう言うと彼は黙って、怪我の治療を受けてくれた。
蓬條良威は何だかんだで、言われたことは守る男のようだ。
反発していても母親に言われた言いつけを守り部屋にいたし、黙って治療されてろと遠回しに言った私の言葉も聞き入れてくれている。
……利用するにはちょうど良さそう。
「終わりました」
「さ、サンキュー……。それで、お前は何で此処に来た?俺はお前の仕える主じゃないんだろ?」
彼はお礼を言いつつもふたくされたようにそっぽを向く。
「ええ、違いますね。ですが、良い協力者にはなれそうです」
「は?」
「単刀直入に言います、私と一緒に蓬條に復讐しませんか?」