白い雪が降り積もるように
「貴方も蓬條に人生を狂わされたのでしょう?なら、私と共に復讐しませんか?」
綺麗な顔をしている奴だが、中身は復讐に身を落とした悪魔ってことか……。
どんなに足掻いても跡継ぎにはなれない。
だったら、こんな家壊されたって構わない。
「面白いじゃねぇか……。その話、乗ってやるよ」
不思議と楽しい気分だ。
生まれ育った家を壊す手助けをするというのに、これからの事が楽しくて仕方ない。
あのババァや依良を破滅へ落とせるかもしれない。
それが俺は楽しみで堪らない。
「ありがとうございます」
恭しく頭を下げる篠田冬季だが、それも心からのものではないのは分かってる。
でも、咎める気にもならないのは利害が一致した協力者だからだろう。