白い雪が降り積もるように
4.予期せぬ事態
蓬條良威が協力者になった。
これで蓬條の内部の情報が手に入りやすくなった。
「ご機嫌だな、冬雪ちゃん」
目の前でコーヒーを飲みながら薄笑いを浮かべる男。
この男はお父さんの友達で、会社を経営している日下圭一さん。
蓬條に入るルートを手配してくれた人。
でも、私はこの人が嫌いだ。
お父さんの会社が倒産するのを助けてくれなかったし、何より眼鏡の奥の眼差しがあの女に似ているような気がする。
あの蓬條紗良に……。
本人に蓬條とのつながり聞いたことがあるが、全くないようだから私の思い過ごしだろうけど。
「別に……。それで、私を呼び出した訳を言って貰えます?公休はなるべく病院に行きたいんですけど」
そう、あれから数日が経った今日はせっかくの公休だというのに、この人にファミレスに呼び出された。