白い雪が降り積もるように
「依良様、宜しいですか?」
ドアをノックして声をかければ、眠そうな声が返って来た。
どうせ、カウチで本を読みながらうたた寝でもしてたんだろう。
ドアを開けると案の定、蓬條依良はカウチで本を読みながらうたた寝をしていた。
「あれ、篠田君。君、今日は休みじゃないっけ?」
「はい。外出しておりましたら、依良様にお会いしたいという方々がいらしたのでお連れいたしました」
部屋の外で待っていた二人を招き入れると、蓬條依良は二人の姿に眉を寄せた。
「……案内ご苦労様。下がって良いよ」
「失礼いたします」
頭を下げて部屋の外に出ると、廊下をゆっくり歩いた。
さっきの蓬條依良の反応……、何かおかしかったような気がする。
何かと言われて何とは言えない。
でも、何となく違和感を感じた。
蓬條依良にも、あの二人にも……。