白い雪が降り積もるように
「アリスと朱鷺?」
「はい。今、依良様を訪ねてきているんです」
「何処かで聞いた名だな……」
考えるように顎に手を当てていた蓬條良威だったけど、ハッと肩を揺らして顎から手を離した。
何か思い出したのかな?
「まずいぞ、これは」
「は?」
「朱鷺って奴は詳しく言えねぇが、依良を訪ねてきたアリスって奴は藤邦の跡取りだ」
藤邦の?
藤邦は蓬條に並ぶ三名家で、主に製薬や医療現場に精通している。
そんな彼女の何がまずいのだろうか?
「そして、アリスは跡取りでありながらもう一つの顔を持ってる」
「?」
「──探偵だよ」
探偵?
もしかして──!?