白い雪が降り積もるように


「お前の正体を依良がアリスに調べさせてたんだよ。つまり──」



「私の正体が蓬條依良に知られる……」



薄々蓬條依良が私の正体に探りを入れていることに気がついていた。




でも、それは単なる好奇心だと思っていたが、考えてみれば奴は他人に好奇心を抱くような男ではない。




恐らく、何処かで私に不信感を抱き、探ろうと思ったのだろう。




好機が訪れたかと思えば、今度はピンチか……。




背中に嫌な汗が伝うのを感じながら、私は蓬條依良の部屋を睨み付けていた。







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