白い雪が降り積もるように


俺はアリスからそれを受け取ると、目を通す。



……そういうことか。




彼は……彼女のやろうとしていることを直感的に理解する。




調査報告書に書かれたことは偽りようのない事実。




これが本当なら俺は……蓬條は……。




「依良、その子を早く遠ざけた方が良いよ。じゃないと、殺されちゃう」




俺を説得するように言うアリスを俺は一蹴した。




「別に殺そうとするならそうさせれば良い。俺は逃げも隠れもしない」




「依良!」



今にも掴みかかってきそうな勢いのアリスを、朱鷺が肩を掴んで押さえた。




「大丈夫だ、アリス。依良は傍には摂紀がいる」



そう、俺の傍には玖下がいる。




今は所用で傍にいないが、呼べばすぐにでも現れるだろう。






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