白い雪が降り積もるように
すると、蓬條依良は静かに身体を起こすと片膝を立てて、私の前に座った。
顔を上げれば、彼は立てた片膝の上に肘をつき、そこに顔を乗せていた。
その姿も様になっていて、腹が立つ。
「──賭けをしようか」
「賭け?」
「そう。ルールは簡単。俺が君の復讐を止められたら俺の勝ち、もしも止められなかったら君の勝ち」
……無駄なことを。
蓬條依良に私の復讐が止められるわけがない。
彼が復讐を止められずに私に殺されて、賭けは私の勝ちで終わり。
それなのに、彼は負ける気がしないと言わんばかりに口角を持ち上げていた。