白い雪が降り積もるように


数時間後。



「ねぇ、大丈夫?」




蓬條依良の声が聞こえたが、私は答えられない。




あれから頭痛は増し、喉と身体の節々まで痛くなってきた。




これは完璧に風邪引いたかな……。





頭痛を堪えるように目をつぶっていると、おでこにヒヤリとした感覚がした。




目を開けてみると蓬條依良が私の額に触れていた。




触らないでよ……。




振り払ってやろうとしたが、その元気は今はない。




「熱あるね。今日はもう部屋に戻って休んで良いよ」




そう言われ、返事をすることなく部屋に行こうと歩き出した。




が、グニャリと視界が歪み、身体から力が抜けていく。




蓬條依良が何か言っていたけど、聞き取れなかった。




そして、私はそのまま意識を失った。





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