白い雪が降り積もるように
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玖下さんの運転で辿り着いたのは蓬條家から車で三十分程の位置にあるショッピングセンターだった。
東西に伸びる三階建ての建物には100を越えるテナントが入っている。
「あのー、何故、私はこんな格好を?」
私は今、屋敷を出てきた時に着ていたスーツではなく、女の子の服を着ていた。
「可愛らしいですよ、篠田さん」
「……お世辞はいりません」
お世辞を言ってくる玖下さんを一蹴し、ため息を吐く。
私は今、ハイネックの白のワンピースタイプのニットに、半ば無理矢理穿かされた黒タイツとショートブーツ、ショートカットのウィッグでも似合うベレー帽を身に付けている。
私好みの服装ではあるけど、何故?
ちなみに服の支払いは蓬條依良の親名義のブラックカードで既に行われている。
前を歩く蓬條依良に問うと、彼は顔だけ後ろへ向けてきた。