白い雪が降り積もるように
……何か、憎い相手に救われるとか変な感じ。
私の手を包む大きく筋張った手は冷たかった。
でも、何故か暖かかった。
「冬ちゃん!」
ふと、後ろから呼び止められた。
足を止めて振り返ってみれば、そこには何も話さなかった親友だった子がいた。
「あ……」
「ごめんね……ごめん、冬ちゃん……」
両目いっぱいに涙を溜めた親友だったその子はそれだけいって、走り去って行った。
「あの子とは友達だったんだね」
「さぁ、どうでしょうね。あと、いい加減手を離してください」
私は蓬條依良の手を振り払うと、一階から屋上までの吹き抜けから下を見下ろした。
あの女子と合流した親友だった子は彼女に何か言われているようだったけど、何事もなかったように一緒に歩き出した。