白い雪が降り積もるように


何を引きずっているか分かれば、復讐に役立つかもしれない。




思えば、この興味深い話を聞いてしまったのがいけなかった。




聞かなければ、私は蓬條への復讐を遂げられたはずだ。




でも、それは後の祭りだった。




更に聞き耳を立てていた私の思考は次の蓬條依良の言葉で真っ白になった。




「昔、俺を殺そうとした男の会社を潰して、その娘を俺の傍において何のつもりだ?」




え──。




真っ白になった頭は何も考えられない。




身体から力が抜けて行きそうだ。




それをどうにか堪えると、その場から離れた。




蓬條紗良が私が立ち聞きしていたのを知っていたとも知らずに。







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