白い雪が降り積もるように




そして、私はそんな男の娘で、その事実を知らずに家族の無念を晴らすの為に蓬條家に来た。




憎しみは憎しみしか生まない。




最初はその言葉は綺麗事だと思っていた。




でも、今ならそれが本当なのだと分かる。



憎しみを晴らせば、新たな憎しみが生まれてしまう。



その結果がこれだ。




「篠原?」




私の本名を知っているのは三人しかいない。




蓬條依良と玖下さん。




そして……。




「蓬條良威……」




蓬條依良の双子の弟、蓬條良威だけだ。




廊下で呆然と立ち尽くす私を見つけてか声をかけてきた彼はポケットに両手を突っ込んだまま近付いてきた。






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