白い雪が降り積もるように


蓬條紗良は「そう……」と短く答えると資料をデスクに置き、肘をデスクについた。



そして、指を組み、私をまっすぐな目で見つめてくる。




その目だけで相手の考えを読み、破滅へと落としてしまえるのでは無いかと思ってしまうほど冷たい目をした女。





父はこの目に捕らわれ、死へと導かれたのだろうか?





私は己まで捕らわれてしまわぬよう視線を外す。




「……君には私の息子、依良の世話をしてもらおうか」




依良(イラ)──。




蓬條家の次期頭首で、この女の長男。




そんな男の世話を入ったばかりの使用人にさせて何を考えている?





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