白い雪が降り積もるように

4.残酷な真実≪中編≫

≪依良side≫



「おい、依良。これはどういうことだ?」





気を失った彼女を俺の部屋まで運んで、ベッドに寝かせると良威が尋ねてきた。




それは俺が聞きたいよ。




母さんと話終えて部屋に戻ろうとしたら叫び声が聞こえて、来てみたら彼女が錯乱してたんだから。




でも、気を失う直前。




彼女は憎んでいるはずの俺に向かって手を伸ばしてきた。




まるで、その手は助けを求めているように思えた。




「俺も分からないよ。俺よりもお前の方が先にいたんだから分かるんじゃないのか、良威」





振り向いてそう言えば、良威は苛立ったように頭をガシガシとかいていた。




「……意味わかんねぇこと言ってたよ」




「意味が分からないこと?」




「ああ。『私の復讐はお門違いだったのかもしれない……』ってな」




良威の言葉で、俺は全てを理解した。






< 161 / 422 >

この作品をシェア

pagetop