白い雪が降り積もるように
「前の君とは別人だね。大丈夫、俺も良威も君に危害を加えるつもりはないよ」
「ああ、そんなに怯えられちゃあ調子狂うしな」
良威も彼と同様に苦笑いを浮かべていた。
こう見ると仕草もよく似ているように思える。
二人の言葉に安心したのか、強張っていた身体が軽くなった。
「とはいえ、君には話さないといけないよね。さっきの話、聞いてたんでしょ?」
蓬條依良の言葉に頷く。
聞いていなかったらこんなに動転していない。
すると、蓬條依良はベッドの端に腰掛け、良威もベッドの脇にある椅子に座った。
「君が聞いていた話は今から十年も前の話だ──」