白い雪が降り積もるように
「私は何て馬鹿なことを──」
「そんなことないよ」
後悔を口にしようとした時、私の言葉を蓬條依良が遮った。
「君はただ家族を想ってのことをしようとしただけだよ。君のお父さんも君達家族を想っての行動だったんだよ」
「でも……」
「それに、確かに俺は殺されかけたかもしれないけど今、ちゃんと生きてる」
彼は優しく微笑むと、私の手を握ってきた。
少し冷たい手だったけど、その暖かみのある仕草に彼の優しさが感じられた。
ふと、頬に何かが伝う感覚があった。
「君は蓬條に復讐しに来た。それは間違いだったか正しかったかは俺には分からない。けど、俺はそれを止めるよ」
「?」
「それを遂げたら君はどうするつもりだった?死を選ぶだろ?」
「……っ!」
全てを見透かされているような感覚だった。