白い雪が降り積もるように
何の意味もなくつけられたテレビからはバラエティー番組なのか、タレントやアイドルの声が聞こえた。
すると、その声に混じって窓が外から叩かれる。
「誰、こんな時間に……」
今は既に夜の10時を回ろうとしている。
最早疲れて寝てしまいたい時にこういうことが起こると、無駄に腹が立つ。
込み上げてくる苛立ちを押さえながら窓際に寄ってみると、そこには良威の姿があった。
「何しに来たの、こんな時間に?」
窓を開けて声をかければ、良威は窓の桟に足をかけて部屋に入ってきた。
誰も入れる許可してないんだけど……。
「ああ、復讐の作戦会議でもしようかと思ってな。さみぃさみぃ」
「そんな薄着であれば寒いに決まってるでしょ」
彼はもう11月だというのに、パーカーとスエットと身軽な服装をしていた。
そんな良威に呆れながらも私はキッチンに向かい、温かいココアを入れてあげる。