白い雪が降り積もるように
「あのババァには今の俺はあの時の叔父さんに見えるんだろうな。跡を継げないことで反発する姿は自分でもそっくりだって思うよ」
少し悲しげな良威のココアに私は傍にあった棚からマシュマロを取り出すと、一つ落とした。
マシュマロはココアにゆっくり溶けていく。
「何でマシュマロ?」
不思議そうに見てくる良威をよそに、マシュマロを溶かすようにスプーンでかき混ぜる。
「……お母さんが生きてた頃、私が元気ないときにやってくれたんだ」
生前、お母さんがよく元気がない私にやってくれていた。
元気がないときは甘いもの!
それがお母さんの考えらしく、ココアやホットミルクを作ってはマシュマロやチョコを入れられた。
そんなことで元気にならないと思うかもしれないけど、少なくとも私は元気づけられたことがある。
でも、今では自分で作る以外は飲めなくなってしまった……。