白い雪が降り積もるように
「何?」
「お前、本当に今でも依良が憎いのか?」
「憎いよ。何故、そんな当たり前のことを聞くの?」
「自覚がねぇみたいだけど、お前、依良を見る目が変わってるぞ」
目が変わってる?
意味が分からない。
憎しみの感情が消えていないのに、何故見る目が変わらないといけないの?
私の疑問を感じ取ったのか、良威は頭をガシガシと掻きながらため息を吐いた。
そして──。
「 ……まるで、好きな奴を見るような目でアイツを見てんだよ」
「は?」
私が蓬條依良が好き?
そんな訳──。
彼の言葉に否定しようとしたけど、何故か言葉が出ない。