白い雪が降り積もるように
第五章:哀別
1.不器用な優しさと悲しい覚悟
翌日。
何故、私はまた女の子の格好をしてるの?
そして、何故──。
「お兄ちゃーん、篠田さん早くー!」
蓬條依良と紗也様の3人で遊園地なんかに来てるの?
今から二時間前。
「お兄ちゃん、遊園地行こ!」
学校が休みの紗也様は起きるなり、蓬條依良の部屋に来てそんなことを言った。
ちなみに蓬條依良はまだ寝ていたから紗也様のベッドへのダイブで起こされた。
「う゛……」
相変わらず、紗也様は彼の鳩尾を捉えてダイブしているようで、呻き声が聞こえた。
「早く起きてよー!それで、遊園地行こーよー!」
「……分かったから降りて、紗也」
兄が遊園地に連れていってくれると分かると紗也様はベッドから飛び降り、私の方へ駆け寄ってきた。