白い雪が降り積もるように


「紗也様は本当に貴方のことが大好きみたいですね」




「……良威のことも同じくらい好きになってくれれば良いんだけどね」





彼は少し困ったように笑うと、腕の中の妹の顔を覗き込んだ。




確かに紗也様は蓬條依良と良威に対する態度はまったく違う。




良威は小さい子からすれば怖いのかもしれないけど、良威だって紗也様の兄だ。




何故、こんなにも態度が違うのだろうか?




「……まあ、年を重ねれば良威なりの愛情表現にも気づくよ」





「愛情表現?」




「うん。アイツは本当に不器用でね、紗也のことが可愛いのに素直に可愛がれないんだよ。あの時だって、そうだ」




彼の言うあの時とは多分、初めて私が良威に会った時のことだろう。







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