白い雪が降り積もるように

2.理由



それから玖下さんに迎えに来てもらい、蓬條家へと帰って来た。




紗也様を玖下さんに任せ、蓬條依良は自室へと向かうようだったから私もその背中を追いかけた。




ちなみに服装はちゃんとスーツに着替えてる。





三階の彼の部屋の前に着くと、部屋の中から男女の話し声がする。




「……あの二人はまた連絡も無しに」




不機嫌そうに眉を寄せた蓬條依良はため息を一つ吐くと、自室のドアを開けた。




中には勝手にカウチで寛ぐアリスさんと壁に反り立つ大量の本が入った本棚の前に見知らぬ男の人がいた。




「あ、お帰りー」




「お帰りーじゃないよ、アリス。いつも言ってるよね、連絡寄越してから来てって」
「えー、そうだっけー?」




彼はしらばっくれるアリスさんを一睨みすると、本棚の前にいる男の人の方に視線を移した。




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