白い雪が降り積もるように


「アリスに限らず、お前もだよ。周(アマネ)」




周と呼ばれた本棚の前にいる男の人は読んでいた本から視線をあげ、蓬條依良の方を見た。




「何故、周がいるのに連絡入れないの?」




「俺は入れようとしたさ。でも、アリスが面白いから入れるなって言ってスマホ取られたんだよ」




「……アリス」





全ての元凶と思われる彼女は何も聞こえないと言うかのように、明後日の方を向いて口笛を吹いている。




ふと、周と呼ばれていた彼と視線が合う。





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