白い雪が降り積もるように
「依良、その子が例の?」
「そうだけど、周にあの子のこと話したっけ?」
「アリスから聞いた」
「……アリス、君には探偵の守秘義務ってものは無いの?」
突っ込むのが疲れたのか、蓬條依良は頭を抱えてため息を吐いた。
アリスさんって何か色んな意味で凄い。
そんな感心を抱いていると、本棚の前にいた周さんが私の方に歩いてきた。
「初めましてだよな。俺は寿永周、コイツらと同じく三名家・寿永の跡取りだ」
周さんはニカッと笑いながら自己紹介をしてくれる。
……三名家って、皆美形だ。
蓬條依良やアリスさんはもちろんだし、周さんも彼らに劣らないくらいの整った容姿をしている。
一重のシャープな瞳に口元のほくろ、蓬條依良よりも少し高い身長に黒髪。
その黒髪から見え隠れするピアス。
本当にモデルかって言う雰囲気を出している。