白い雪が降り積もるように
「あの、今の話って……」
「ああ、君は知らないんだね。でも、これは俺達が勝手に話せることじゃない。だから、依良に直接聞いてごらん」
「多分、東屋にいるはずだから上着を持っていってあげて」
二人から聞き出したかったけど、さすが探偵と官僚候補だけあって口は固い。
まあ、アリスさんに限って必ずしも固いとは言えないようだけど……。
私は二人の言葉に頷くと蓬條依良のクローゼットからコートを出して、東屋に向かおうと部屋を出ようとした。
「篠原さん」
すると、周さんの声に呼び止められた。
振り返ると彼は何処から出したのか拳銃を握っていた。