白い雪が降り積もるように
「君は依良を殺そうとしているらしいな?もし、依良の過去を聞いて、それを復讐の参考にしようとしているなら今、此処で君を殺す」
殺気を出す周さんは拳銃を私に向けている。
私の返答次第で拳銃は火を吹くだろう。
でも、私は──。
「そう思ったのは事実ですが、ご安心を。私はそのつもりは満更ありません」
それは無意識に出た言葉だった。
私が言った言葉がそんなにおかしかったのか、二人は驚いたように目をぱちくりしていた。
そんな二人を無視して部屋を出ようとしたら、今度はアリスさんに呼び止められる。
「冬雪ちゃん、依良の話、ちゃんと聞いてあげてね」
彼女の言葉に頷き、蓬條依良がいるであろう東屋へ向かった。