白い雪が降り積もるように


「お前は蓬條の跡取りだ。蓬條を快く思っていない人間はたくさんいる。だからだ」




「あ、そう」




蓬條というよりはこの人のやり方が反感を買ってるんでしょ。




この人は巨大すぎる蓬條を治める女頭首。




女だからと舐めてかかる奴は確実に痛い目を見る。




会社を潰される人や突然クビにされる人はこれまでに何人も何十人も見てきた。




母親の言葉に軽蔑を感じながら、目の前の二人を見た。




「蓬條依良、よろしく」




「玖下摂紀、この者は玖下律生です。よろしくお願いいたします、依良様」





この二人は兄弟らしく兄の摂紀は俺より一つ上で、弟の律生は俺と同い年。




見た感じ、摂紀は警戒心が強く無愛想、律生は人懐っこく明るい性格って感じだった。





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