白い雪が降り積もるように
「依良がどんな子か気になりますか?」
すると、達也さんが私の考えを読んだように問いかけてきた。
またこの人は──。
「そう心配なさらずとも大丈夫ですよ。親の私が言うのもなんですが、依良は聡明で、とても優しい子です」
ふわりと笑った達也さん。
この人が嘘をつけるような人とは思えないし、こんな穏やかな人が言う程だから依良という息子は本当に優しいのだろう。
「依良、少し良いかな?」
達也さんがドアをノックして声をかけるが返事はなく、物音すらしない。
不思議に思った彼がもう一度声をかけてドアを開けた。