白い雪が降り積もるように
「主従関係じゃなくて、俺は依良と友人として接したい。だから、付き人は辞退する」
あぁ、そういうことだったのか……。
一瞬嬉しさで涙が出そうになったが、それを堪えて律生の言葉を受け入れた。
そうして、俺と律生は親友とも言える関係になった。
でも、その関係は儚くも壊れてしまう時はそう遠くなかった……。
三年に進級し、俺と律生はクラスが分かれた。
それから俺達の距離は離れてしまう。
新しいクラスで律生は新しい友人が出来、俺は変わらず周達とつるんでいる。
でも、そこに律生の姿はなくなっていった。
「摂紀、律生は毎日何してる?夜遅く帰って来てるみたいだけど……」
俺は運転席の摂紀に向かって声をかけた。
一学年上の摂紀は一足先に高校を卒業して、今は蓬條の使用人として俺の送迎をしてくれている。