白い雪が降り積もるように
「あー、やっと殺せる。親友ごっこも大変だなー」
親友ごっこ?
律生の言葉に、動揺する。
そんな俺の反応を感じたのか、律生は口角を大袈裟なくらい持ち上げて笑った。
「俺はある人に頼まれて、お前を殺す依頼を受けたのさ。蓬條なんかよりもあの組織なんかよりも良い条件を出されちゃあやるに決まってる」
「条、件……?」
「ああ。あの人はいくら人を殺しても揉み消してくれるってよ!俺は罪人なんかよりも何の罪もない一般人を殺してぇんだ、あの『何で自分が?』って顔を見てぇんだ!」
目を見開き、人を殺すことを楽しみとする律生はもう俺の知っている律生ではなかった。
いや、俺の知っている律生が偽りだったんだ。
俺が見ていた笑顔も、馬鹿騒ぎも、親友だと思っていた姿も全てが──。