白い雪が降り積もるように


「……騙さ……れて……たのか……、俺は……」




途切れ途切れの言葉は震えていた。




でも、そんな俺の声でさえも律生にとっては喜びだった。




「良いねぇ、その目に声!親友だった奴に裏切られて、殺されることがショックで堪らないんだろ?ああ、気持ちよくてたまんねぇ!」





律生は天を仰ぐように上を向いて狂喜の言葉を発すると、俺の首に力を込めた。




感じる心臓の鼓動がうるさいくらい速い。




もう俺は律生に殺されるんだ。




そう察したとき──。




目の前が真っ赤に染まった。
俺に馬乗りになる律生の口から吐き出された血が、腹部から流れる血が顔と身体にかかったのだ。





「律生、その手は何だ?」




殺気の籠った声を放ちながら律生の後ろに立っていたのは摂紀だった。





そんな摂紀を律生は恨めしそうに見た。







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